S15シルビア エンジンの調子を良くするための準備とREYTECのデータセッティング
先日エンジンをオーバーホールしたS15シルビアです。
エンジン積載の際にTOMEIパワードのREYTECというECUを取り付けました。
エンジン仕様に合うデータを作っていきます。
製造は終了していますが、この車には、まだまだ使えるエンジンコンピューターです。
追加センサーを結線してエンジンが掛かるようにセットします。
今回のエンジン仕様は、
270°カムシャフトに交換、排気量変更なし、圧縮比の変更もなしです。
フューエルインジェクターは少し噴射量を上げて555㏄に変更しました。
タービンはノーマル、排気管はエキマニからマフラーまで効率の良いものに交換済みです。
通常走行から乗り易くて速い車になりそうな内容です。
これらに合うようにデータの変更をします。
準備はいつもと同じ、燃圧計、排気温度計、A/F計、ノックモニターを設置します。
燃圧はアイドルで2.75kに調整します。
排気温度は大まかにピークで800度くらいを目安にします(結構踏まないとこの温度まで到達しないですけど…)
点火時期はアイドルで基準通り上死点前15°ぴったりに合わせます。
この時、アイドルスクリュー開度によるAACバルブの動きや惑わされないように…
車検が切れていますので、一般道には出ずに、
リアタイヤを少し浮かせて、通常走行想定のデータを作ってみました。
サラッと5分程度で低回転域の頻繁にトレースする領域だけデータ編集してみました。
これだけやっておけば、大抵の街乗り走行に対応しますし、車検の排ガステストもクリア出来ます。
走行風を当てずにその場で回転を上げると水温上がり気味になります。
ここまでできたら、陸運局で継続車検を受けてきます。
ここからは気になるところを手直しします。
実際エンジンはアイドリングしているのですが、
この状態ですと水温が50度くらいまではアイドル信号が出ません。
スロットル開度2%で『少しアクセルを踏んでいますね』とECUは判断している状態です。
スロットル部分のアップです。
スプリングが付いているところが水温変化に応じてスライドして
アイドル時にスロットルを開閉する仕組みになっています。
このズレを補正してあげれば、アイドル接点が出やすくなりますので、少々調整しておきます。
スロットルのストッパー部です。
この隙間をもう少し減らしてあげれば、長い下り坂で水温が下降しても
アクセルオフ時にエンジンブレーキが掛かるようになります。
また、ローテンプサーモを装着している車両は、水温補正を調整します。
冬場の60度台をキープする走行(下り坂とかですね)を想定して増量分を差し引いておきます。
こうすることで余計な燃料が出ないため、エンジンオイルも汚れず、燃費の悪化も抑えられます。
ここからエンジンの慣らし運転をしながら少しずつ実走にてセッティングしていきます。
ゆっくり3000rpmくらいでシフトして、なるべく巡行させる感じで数百キロ走行します。
この最中に街乗り領域のデータをじっくり合わせます。
ガレージに戻り、リフトアップしてエンジン廻りの点検、油脂類の漏れなどがないか確認します。
全く問題がなかったので、エンジンオイルとオイルフィルターを交換して、再度走行します。
この後、回転数を1000rpmずつ上げていきます。
同時にノックの出方を気にしながら順繰りと
点火時期と燃料噴射時間のデータ補正を小刻みに調整していきます。
じっくり走ってデータ編集完了です。これで快適で力のあるエンジンの出来上がりです。
270°カムを使用しておりますが、低回転域を使う街乗りでも扱い易い特徴になりました。
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