S14シルビア サーキットを走った時にだけエンジンの調子が悪くなる その2

 
先日サーキットにてテスト走行してきたS14シルビアです。
 
LLCを吸い込みエンジンの吹け上がりがおかしくなったところまでお話しました。
 
エンジンに水(雨水でも)が吸い込むと圧縮出来ない上に、
 
AFも狂い、そのままではエンジンを破損する恐れがあります。
 
そもそもLLCがリザーバから吹き出るという状況でありますので、その理由をオーナーさんにお伝えしました。
 
こうなる理由はガスケットのシール性がなくなったと思われます。
 
燃焼室から爆発ガスが隣のウォータージャケットへ侵入し
 
その圧で押されたLLCがタンクまで押し戻されたと考えました。
 
 
 
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ではそのガスケット抜けが起きた原因を考えると・・・
 
このままでは情報が少ないということで、それはエンジン内部を見てからということになりました。
 
何にせよヘッドガスケットは交換しなければなりませんので、エンジンは分解することになりました。
 
 
 
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SR20エンジンは乗せ降ろしに慣れていますので、下ろしてからヘッドを外します。
 
 
 
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外したところです。爆発ガスが漏れていたようです。
 
このように表面に傷のついたままですと、
 
ガスケットを交換しただけでは、隙間が埋まらず、症状は直りません。
 
 
 
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こちらはピストンを外したところです。
 
ピストンもシリンダーもヘッドの下面も削れていました。
 
ここからLLCを押し出されたのだと、ここまで来てはっきり分かりました。
 
またこの時点まででわかったことは、
 
パワフルなエンジンだったということとエンジン内部の派手なノック痕です。
 
そのことに通じることとしてのヒントのひとつとして点火時期があります。
 
 
 
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点火時期の調整できるところとして、このエンジンには2箇所で調整できます。
 
ひとつはクランク角センサーです。こちらは預かった直後に規定値と測定済みです。
 
もう一つはECUのデータです。こちらを確認したところ、
 
一般的に、このエンジンでノックが出る可能性のある程、進角されたデータが入っていました。
 
エンジンがパワフルに感じたことと、エンジンが不調に陥った根源は、この数値ではないかと感じます。
 
 
 
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オーナーさんが、トラブルに気がついたのは、このエンジン仕様にして6ヶ月後の出来事のようです。
 
ECUに関しては、関西地元のお店と、遠方な関東の有名なお店に頼んでおられたようですので
 
どこでどうなったのか、ここまでの詳細は分かりませんが、
 
双方のECUデータを拝見しましたが、ぼくが用意しようとするものとは全く別物で驚きます。
 
パワーアップは嬉しいことですが、エンジンが短命になるなのは避けたいところだと思います。
 
オーナーさんもこのような結果に萎えている様子でしたが、
 
いくらか気配は感じていたようで、
 
これからこのエンジンをどのように直すかを一緒に考えていくことになりました。
 
 
 
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その後、少し落ち着いてから、
 
色々時間を掛けて次期エンジンとなる内容をおおまかに決めることができました。
 
変更点はエンジン本体とECUです。補機類はほとんど変えずにやっていくことになります。
 
エンジンは別のブロックを用意して、あまりお金を掛けずVG30純正ピストン流用の2.1Lへ。
 
 
 
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またECUは設定の分かり易いREYTECに変更することになりました。
 
単純にエンジン載せ替え、ガスケット交換で十分だったのですが、
 
オーナーさんのご希望でこのような話となりました。
 
初めて頼まれる方から、このように多くの依頼内容に少し気負いしてしまいます。
 
本来はお店の人が内容をおすすめするのですが、
 
先にもありましたように自動車関連のお仕事をされている方ですので、
 
こちらは楽しい質問攻めに合うばかりです。
 
関西弁の勢いに圧されながらも、しつこく頼まれる嬉しさもあり、これらのお話は楽しくできました。
 
 
 
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話の途中でくたびれてきた時、答えを知らないふりでもしようかと思いましたが、
 
分かるところと知っていることは、ほぼ全てお伝えできたと思います。
 
とにかく「長持ちして、トラブルなく楽しめるものが用意できそうな感じ」
 
というところで話がまとまりました。
 
 
つづきです。
 
 


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