BNR34 GT-R カーボン・ボンネット修理 WV2 その1
BNR34 GT-R V specⅡのカーボン・ボンネットの修理を依頼されました。
NACAダクト (ナサダクト)のカーボン部分の樹脂のヒビ割れ補修です。 この作業をするのは2台目です。
前回の修理内容をブログ記事にしましたら、同じような症状でお困りの方がいらっしゃるようで
修理についてのお問い合わせを少々頂きましたが、日常業務があまりに多忙で
ありがたいと思いながらもお断りせざるを得ない状況でしたのでご迷惑おかけしました。
今回の修理もいつもながらで作業のスケジュールに余裕がありませんでしたが、
なんとか調整をしてお受けしました。
お問い合わせ頂いた方にメールや電話などでお話したらディーラーさんあたりでは、
修理は出来なくて新品交換しか対応が出来ないと言われたり、ちょっとした板金屋さんでも
同じようで作業は難しくて受けてもらえないと言う事をお伺いしました。
新品に交換すればいいじゃん、で済ましてしまえばいいんでしょうけど、
今日あたりの新品の価格は少しずつ値上がりしながら結構な金額のモノになってしまったので、
(2016.2.1の時点で塗装済みは無く、色無しで税抜き価格で42万円です。)
一言返事で、交換しちゃって下さいって中々言えないですよねえ。。。
まあそんな事でボクは修理屋さんなので、直せるものは直してみたいので、
その場しのぎ的な修理じゃなくて耐久性と美観を意識した修理方法で今回もやってみました。
ボクのところは作業の相談や依頼を受けるにも小さなお店ですので、余裕もあまりなく、
同業者さんや専門店的なお店さんでもお困りのお客さんがいましたらと思って、
レクチャーって程のものではないのですが作業中の画像を順番に並べながら簡単にですが
説明をしてみますので、よければ参考にしてして下さい。
特別な技術や、やり方などは特にないのでお応えしてみる価値はあるかもです。
画像はわざわざディテールが分り易いようにちょっとアップ気味で撮影してみました。
では、始めていきます。。。
NACAダクト (ナサダクト)の部分です。 カーボン部分の樹脂がヒビ割れています。
エアーが入って白くなっていますね。
人によるんでしょうけど、そのままでもいいじゃんってわけにはいかないんですよねえ。。。
ナサダクトの周辺にはこんな感じのヒビが何ヶ所かありました。
助手席側のウォッシャーです。ココは4方向にヒビがあります。
ちょっと分かりづらいですが、ピンクのマーキングのところにヒビがあります。
角度を変えて撮影。。。
ボンネット裏側のコーションプレートです。
で、今からボンネットを車体から外すところです。
ボクの場合はエンジンルームにネジや工具を置いたりするのは絶対ダメとは思わないけど、
ちょっとという場合は柔らかいタオルなんか敷いてやらせてもらっています。
ボンネットは車体から外しました。
一般的な厚みのプリンター用紙をダクト部分にあてがって輪郭を写したところです。
墨の代わりになるようなものだったら鉛筆やシャープペン、板金屋さんだったら、
3Mのドライガイドコートのようなものでいいと思います。
輪郭が採れたら上手にハサミかカッターなどで切り抜きます。
しばらく後で使います。
で、劣化しているクリヤーのゲルコートをカーボン生地にキズが入らないように除去していきます。
ツールは作業に向いているものであればなんでも良いと思いますが、
ボクはお気に入りの彫刻刀を使いました。
途中経過の画像。。。
ナサダクトの形状部分は除去出来ましたが、カーボン部分と塗装面は大きな段差があるので、
ここからエッジを作るためにもうひと回り剥がしていきます。
ナサダクトの周辺は少し硬かったので、ハンマーを使って彫刻刀をノミの様に使い、
エッジを作るための周辺はここで一旦終わりです。
オマケ画像。
つづきます。
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