180SX パワーウィンドウ修理、運転席の窓が上がらない
「明日には台風が来るというのに、運転席の窓が下がったまま上がらない。」
というお話で預かりました180SXです。
ウィンドウガラスがフルオープンのまま明日を迎える訳にはいきませんので、
この日は窓ガラスを最上部まで上げ固定して雨風を凌ぎ、
翌々日以降で原因を探り修理することにします。
約束の日時に再来店していただきましたところオーナーさんはダラダラと大汗をかいています。
タオルを渡しつつ、どうしたの?と尋ねると・・・
「突然エアコンが効かなくなった上に窓が開かなかったもので…。」
なるほどこの暑い時期にそれは大変でしたね。同時にエアコンも修理か・・・
「まだこの車に乗りたいの??」なんて冗談半分で。
まだまだ乗りたいということでしたので、どちらも直しておきます。
さて、それではパワーウィンドウのトラブル点検に取り掛かることに致します。
スイッチをONするとモーターの回転音が聞き取れましたので
この時にはレギュレーターのワイヤーかモーターの経たりを疑っていました。
何にせよドア内部で事が起きていますので、内装を剥ぎ取り点検を始めます。
ワイヤー切れ、絡みつきなどはなく、
モーターアッセンブリーで回転の伝達が出来ていないようでしたので、
裏面から分解して内部の様子を見ます。
回転ギアには同期して動くブッシュがあり、そのブッシュがちぎれていることで
動力の伝達がなされていないことが分かりました。
ブッシュとギアシャフトが同期していません。
電源を得るとモーターのセンターシャフトは回りますが、
ブッシュが空回りして滑り、ガラスを押し上げる力がギアに伝わりません。
モーター交換も考えましたが意外と高価でしたので、オーナーさんに相談します。
「ここ以外にも修理を頼みたいので簡単に済ませたい…修理方法はおまかせしますので。」
ということでしたのでブッシュのスリーブとアウターに短いシャフトを4本埋め込むことにします。
こんな感じにしておきました。こんなん初めてやりましたけどね 笑
あとはカチッと蓋を閉じて動作チェックします。
軋み音が出ないか心配でしたが、動作音やクッション性、共に自然な感じになりました。
こちらはレギュレータという部品です。
スライダーとレールにガタが、またグリスの汚れもありました。
動きが渋い時もあります。
モーターギアのブッシュ切れは、
恐らく窓のスライド時にこれらの抵抗が切っ掛けで起きたものと考えます。
レール内面とローラーを洗浄、グリスアップし、レール幅の調整をして、
スライダーが滑らかに動くようにしておきます。
ドア内に装着して動作確認しました。・・・正常動作できていました。
これでしばらくは窓が動かなくなるトラブルは回避できそうです。
今回はPWモーターの電気的な故障ではありませんでしたが、
パワーウィンドウのトラブルには様々なものがあります。
ワイヤー切れやレール曲がり、リレーユニットの接点不良、スイッチの故障
このほか構造自体が違うものもあります。
故障原因を調べて再発を防止できるように作業したいと思っています。
更に状態により、費用が掛からず手早く長持ちするような修理が出来るといいですね。
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