MR-Sのオーナーさまから「リアブレーキの効き過ぎてすぐにロックしてしまう。
前後のブレーキバランスを調整してほしい。」という相談を受けました。
今回で2度目のご依頼です。お声掛けいただきましてありがとうございます。
休日には このMR-Sでジムカーナを楽しまれているということです。
数日前の練習会ではブレーキコントロールがうまく行かず
思うように走れなかったというお話を覗いました。
現状は、前後のブレーキパッドで極端に特性を替えていること、
競技中はABSをキャンセルしていることで、
リアタイヤがロックしやすくなったのではないか、ということでした。
MR-Sでブレーキの前後バランス調整をやったことがありませんので、
オーナーさんにも情報協力してもらいながら作業に取り掛かります。
ぼくらも現状を体感してみたいということで試走させて頂きました。
想像以上にリア効きになっていました。制動距離が長めで、すぐにロックします。
お調べいただいた情報から、こちらの車両には前後バランスを調整する
プロポーショニングバルブ(Pバルブ)が装着されていないようです。
ABSアクチュエーター内部でロックを解除するという方法で
前後の配分をコントロールしているとのことです。
MR-Sのみならず この年式以降のものはこういうタイプばかりのようですね。
これは社外品(Wilwood)の調整式Pバルブです。
こちらを使ってフロントにしっかり荷重を掛けられるよう、これで後ろの油圧を絞ります。
ビッグキャリパー、大径ローターへの交換車両に利用させてもらってます。
いつもは純正のPバルブを切除して、こちらをリアブレーキラインの途中に取付け、
フルード圧を調整できるようにしています。
今回は純正Pバルブなしということなので単純にこんな風にやります、
という簡単なメモをオーナーさんに送りました。
こんなものでも意味が通じたみたいでよかったです(笑)
実際に取り付けていきます。
パイプフレアを4箇所作ります。フルードが漏れないように慎重に・・・
こんな感じでシンプルにできました。
依頼を受けた当初はもっと複雑になるかと予想していましたのでほっとしました。
基本ABSを作動させずにスポーツ走行をするということなのですが、
ABSを動作させるとどんな風になるのだろうか・・・
完成後、オーナーさんに試していただきたいところです。
スペアタイヤのボックスを付けて
フルードのエア抜きをしておきます。
ダイヤルを調整してロックさせない制動距離が短くなるところにセットします。
施工前と比べて格段に安定感が出ました。これは良いと思います。
接続変更箇所とエア抜きニップルの漏れもないのでこれで完成です。
あとはオーナーさんに微調整してもらって・・・
次回のジムカーナは思った通り走行できるといいですね。
評価を楽しみにしています。