数か月前にAACバルブの交換と調整を承ったS15シルビアです。
施工以来、調子よく走られていたようです。
その後、オーナーさんの手によりカーナビゲーションを取り付けされたところ、
ECUハーネスを触った際に起きた接点不良でエンジンの調子が崩れたようで、
ディーラーさんにて、その修理と同時にクランク角センサーや点火コイルも新調されたようです。
ところが、ハーネス不良個所の補修処置ができたにもかかわらず、
それでも今までのような調子が出ないということで、今回、再診断することとなりました。
エンジンルームを眺めてみます。
この時点で、クランク角センサーの取付固定角度が見慣れない位置にあることと、
AACバルブに付随するエアスクリューが、開き方向であることが気になりました。
エンジン水温がまだ80℃を超えていませんが、
この時点で燃料噴射時間がいつもより長く、エンジン回転数も高めです。
エンジンルームを見ていた時から気になっていた、
クランク角センサーの角度=点火時期をタイミングライトを当てて測定します。
青〇のところにある小さい点がいくつかありますが、測定時は指針が一番左を差していました。
通常ですと左から5番目の点に合っていないといけないはずなのですが・・・
もしかすると、センサー交換後の計測時に測定機が故障していたのかもしれません。
クランク角センサーの取付角度とAACバルブ開度を調整します。
もう一度ライトを当てて測定します。
これで規定値になりました。
結局のところ、点火時期が遅れていたことが分かりました。
一般的に点火時期が遅れているとエンジンの力が出にくく、加速が鈍くなるといわれていますので、
今回は、このことが原因で発進が重く感じたのだと思われます。
表示している点火時期に変化はありませんが、
燃料噴射時間が短くなり、余計な燃料を噴射することもなくなりました。
これは、調査していた時の履歴なので消去します。
この後、各センサー、ハーネス系統は正常動作することを確認します。
最後に軽く試走して、低速トルクや加速の伸びが良くなったことを感じることができました。
オーナーさんにも数日間 乗っていただき、
以前と同じような走行フィールになった話をお聞きできましたので、
作業の完了とさせていただきます。