「左ヘッドライトがスイッチOFFなのに点灯してしまう」ということで預かりましたPS13シルビアです。
点灯していると知らず一晩そのままでいてバッテリーが上がってしまったり、
仕事終わり帰宅直後に駐車しキーロック後に点灯していたようです。
また、このトラブルは常に起きるわけではないということです。
暫くの間、何もせずに症状が出るのを待ちましたが、
お預かりしてから4日間、バッテリーが上がるどころか、
症状が全く確認できません。
それまでは、今後の調査方法を決めることにします。
作業せず、車両状態と特徴を見て、この状況から何かを感じ取ることにします。
現時点で認識している事柄としては…
・いつも間にか点灯するということなので、
ヘッドライト配線のどこかで、常時電源と接触しているとも考えられる。
・この車両にはヘッドライトリレーは存在しないようです。
ハーネスが細いため断線、ショートしやすい。
・通常フェンダーライナー上を通過しているメインハーネスがエンジンルーム側に移設してある。
・ホースバンド端の切り落とし部が左ヘッドライトハーネス付近に絡まっていた。
金属バンドなのでショートしていた可能性がある。
・NA→TBへエンジン載せ替え、左ヘッドライトハーネス付近にハーネス加工跡がある。
以上、こんなところでしょうか。
また、症状が出るときまでの準備とその時の対処としては、
・度々のテストでバッテリーが弱ってしまうことを予見して
テスト用のバッテリーに差し替えておく。
・また、クロスチェックとして中古でディマースイッチを用意、装着して試す。
異常が発生するか見守る。
・振動などで勝手に電源を送ってしまうのであれば、
何かの常時電源線が接触している可能性がありますので、
症状が出ている状態で常時電源が通っているヒューズを1本ずつ抜き、
どの部品のヒューズを抜いた時にヘッドライトが消灯するか試す。
その部品のハーネス経路を辿ってショート部位を見つける。
これらのことを念頭に置きつつ、簡単なところから別途点検を開始します。
調査時間ばかりかけても仕方ないので
まず真っ先に怪しいところとしてヘッドライトスイッチAssy.から疑います。
元々装着されていたスイッチ部分を点検します。
代替品を用意していますので、強気で分解していきます。
導通ポイントのクリアランスも怪しいですが、
現時点ではサーキットテスターにて各パターンをチェックしましたがすべて正常動作しています。
次にエンジンルームを見まわします。被覆の剥けているハーネスを探します。
1カ所だけコアサポート下で金属部との干渉が原因で絶縁カバーが切れているところがあります。
コルゲートチューブを剥き取りハーネスを点検したところです。
怪しいところは補修しておきますが、これらのハーネス群に常時電源線はありません・・・
ここではなさそうです。
「試しにヘッドライトスイッチをテスト用から元に戻してえみよう」という話になりました。
コネクタ部を差し変えた瞬間にヘッドライトが点灯しました。(スイッチはOFF状態)
テスト用スイッチに戻すと消灯します。
このことで、ようやく原因が分かりました。
以前に装着されていたディマースイッチの接点部のクリアランス不足(不安定)ということになります。
これらを修繕し、スイッチOFF時には常にヘッドライトは消灯、正常動作するようになりました。
ハーネスも全部ばらすことなく、高価な部品を交換することなく済んで良かったです。