エンジンのヘッド部から異音がする、ということで、
鳥取県からお越しいただきました方のエクストレイルのメンテナンスを致しました。
遠方よりのご来店、又、数あるお店の中から、当店をご利用いただきまして誠にありがとうございます。
地元のディーラーさんにてエンジン本体からの異音と診断されたということですが、
オーナーさんもこの音源に対して疑問を感じていたようで、当店にてあらためて
点検と診断をすることになりました。
この時点では、私共もSR20VET特有の可変ハイリフト機構、
VVLが装備されたエンジンからの異音と予想しておりました。
遠方からお越しいただくということもあり、
こちらに到着したら、手際よく短時間で診断を済ませられる様に、
音の発生個所を簡単に調べる機材として
サウンドスコープやノックモニターなどの設置準備をしてお待ちしておりました。
エンジンヘッド内部のオーバーホール及び修理との診断を受けられたということでしたので、
まずはオーナーさん立ち合いの元、生音を聞いてみることにします。
エンジンを始動させますが、アイドリングでは聞き取れない状態です。
その後、少し空ぶかしをしてみると…
エンジン外部に発しているような『バチバチ音』が聞こえます。
聞き覚えのある音です。
オーナーさんに確認したところ『この音です。』ということでしたので、
エンジン本体からではないのでは?ということをお伝えました。
作業内容の打ち合わせをした後に、お車をお預かりします。
排気漏れの音と断定して、作業を始めさせていただきました。
ラジエターや排気管など、タービン周辺の部品を取外し・・・
ここからはピットクルーの作業となります。
エキマニを取外しましたところ、
管が長い4番に曲がりと反りがあり、その隙間から排気ガスが漏れていたようです。
縦置きエンジンではエキマニ割れを見かけたことがありますが、反りで排気漏れ・・・
フランジの肉痩せが見受けられないことから、一度外してその時には反りが出ていて、
固定ナットを締め付けきれずにガスケットの隙間から少しずつ漏れが出てきたものと推測します。
対処として、反ったエキマニを研磨して再利用することも考えましたが、
10数年使ってきたものですし、取り付け直後の割れも懸念して、
今回は新品純正部品に交換することにします。
作業後には気になる異音も消え、きちんと排気することにより、
低速域でタービンが良く回り、エンジンフィールも回復することができました。