静岡を離れて東京に勤務を始めて半年くらいになるお客さんから久しぶりに電話が入りました。
その会話の中で「5年以上使ってきた機械式LSDが最近になってうるさくなってきた。
静かにならないものかな?」という相談を受けました。
関東のお店を廻って銘柄や粘度を変えつつ
オイル交換を何度となく施行したそうですが音が治まらることはなかったようです。
純正のLSDに戻すか、分解してギアの点検、調整をするか、もう一度オイルを替えるか…
いくつかの案はありましたが、一番簡単なギアオイルの銘柄を変えるというところで話が纏まります。
「オイル交換でほんとに音がなくなるのか?」うまくいけば御の字ということで作業します。
分解してオイルを出すわけではないので、馴染むまで時間が掛ると思い、
作業後はしばらく様子を見てもらうことにしました。
都内では車に乗る機会が少なく、連絡があったのが1ヶ月後。
結果「音が全くなくなりました。」との連絡が入りました。
本人としては気持ちはスッキリして修理もせず、
静岡まで来てもらった甲斐があったかな…⁈
まあ、久しぶりに顔も見れたし、それだけでもよしとしてください。(笑)
一件落着しましたが、
「機械式LSDは作動音がしても仕方がない」という話は以前からよく耳にします。
イヤならカーボンでデフか、ノーマルで乗ってなさい、というのもね…
それと「LSDとオイルとの相性の良し悪しで…」という表現で
チャタリング音、作動音が出るという話もよく聞きますが、
「オイルに含まれる添加剤の配合の仕方で性能と特徴に分かれている」
といった方がもうちょっと合点がいく気がしました。
摩擦係数を上げる、ツキを良くする、イニシャルトルクも上げ、スポーツ走行に合う、
といった特徴を持ったものは作動音が発生しがちとか、
LSD効果がマイルドになるもの(安い添加剤を使っているとは限らない)は
作動音が小さい傾向です・・・という話はWAKO’Sの担当さんから聞きました。
また、今回使用したワコーケミカルのRG6140は、
その配合が穏やかな特性で作動音が小さくなったとのことでした。
ぼく自身も好んで使ってます。
オーナーによって使用用途や求めている性能が違いますから、
作動音レベルや効き具合、作動抵抗(燃費)性能のなど
もっと分かり易い表記があるといいのに、って思しまいます。
オイル交換くらい(と言っては何ですが…)シンプルな答えがほしいものですね。