「ブレーキメンテナンスを自分でしたいので、お店の作業スペースをちょっと貸してほしい。」との相談を受けました。
お車はBNR32スカイラインGT-Rです。
天気の良い日にお店の敷地内で愉しくかってにやってもらえばよいかと思っていたら、
「その時、一緒にフロントローターだけ、シルビアとかでやっているような大径なものにしたいので、
取り付けブラケットを用意してもらえないですか。」との要望もお聞きしました。
「豪華なブレーキキットまでは要らないのですが、もう少し効くものを程々の予算で…」ということです。
現在使用しているアルミホイールは17インチのRAYS CE28でしたので、サイズ的に丁度良い、
シルビア等で使用しているZ34標準車用のローターを使い施工する、という話になりました。
標準車両のブレーキです。16インチホイールでは、いっぱいのサイズです。
今回は精度や強度に影響の出ない程度に、シンプルな方法で製作します。
純正サイズは296Φと小さくはないのですが、GT-Rですからね、R33型のGTSと同じサイズでは力不足のようです。
参考までにローターを重ねてみました。
ブラケットの厚さを決めようと思い、PS13用の在庫品を宛がってみたところ、
ナックルのボルト固定部の寸法が大きいことが分かります。
仮付けして、イメージを見ます。
シルビアで使用しているブラケット寸法のオフセットと雌ネジ部分のザグリ形状を小々変更することにします。
キャリパーとローターの位置関係です。
オフセットさせる寸法が決まりました。
ちょっと前に作った、「S13シルビアにZ34ローターを取り付ける」の時に使用したブラケット寸法を基に、
キャリパー取り付け位置のオフセット変更のみで対処します。
ただし、キャリパーはシルビア系のものに交換する手間がかかります。
オーナーさん曰く、シルビア系のキャリパーは比較的安価で入手できるので、その方法で構わない。」とのこと。
本来はキャリパー交換せずに一から寸法取りしてブラケットを作り始めるのですが、
手間をかけずにやるという約束ですので、キャリパーをZ32後期型のものを使用することになりました。
出来上がりのブラケットです。
ナックルにブラケットを装着した様子です。
完全に固定したところです。
ブレーキラインはスチール配管なしでメッシュホースに変更しました。
ホイールとの干渉もなし。これで完成です。
数日してからオーナーさんに乗り味を伺いましたが、
これだけで「まるで制動力が違い、すごく良い」と評価をいただきました。
元々ブレーキの効かない車でしたので違いが分かり易かったのかと思います。