BNR32スカイラインGT-Rにブーストコントローラーの取付とECUのデータ変更の依頼を受けました。
ECUは既に東名パワードのフルコンREYTECレイテックが装備されています。
ブーストアップに伴うセッティングを致します。
ブーストコントローラーはTRUSTのプロフェックを取り付けました。
ソレノイドバルブを使用して圧力制御する長寿命のコントローラーです。
計測用のAFセンサーはフロントパイプに取り付けます。
元々は社外のチューニング済みECUが装着されておりましたので、
参考までに点火時期を拝見しました。
今回は、このデータと同等かそれ以上にすることと
寿命を縮めてはならないという使命感がありましたので
慎重にデータの方向性を決めようと思います。
少しずつデータを変更していきます。
アイドリングもベースデータから少し変えます。
そこまでできたところで一度軽く試走します。
通常走行は全体的にこのままでよかったのですが、
アクセルをハーフから踏みこんだ時に一瞬 燃料が薄くレスポンスが鈍い感じになりました。
データの変更だけでは対処できない感触でしたので、
ベース燃圧を0.25kアップしてもう一度最初から編集し直します。
これは以前に入れた燃料補正マップデータです。
走行したところで「加速増量」というアクセルを踏んだ時に
一時的に燃料を増量する項目を全てカットしておきます。
燃料マップ上での燃調が濃いことと中回転域、中負荷での点火時期の進角具合おかげで、
急に踏み込んでも緩やかに扱っても、このままでもレスポンスしました。
この状態から、マップ全体をほんの少しだけ減らしていきます。
「ちょっと鈍いかな?」と思うあたりまで調整出来たところで
「燃料補正マップ」を触るのを止めて「加速増量」値を入力 調整しました。
中高回転のレスポンスが良くハーフで濃いところもなくなり スッキリとしたデータになりました。
ブースト圧の設定もできましたので立ち上がりも良くなり その持続性も上がりました。
その領域でのノッキングレベルも収まりました。
「アイドル付近でガタつくことがあるのでそこも。」とオーナーさんに頼まれていましたので、
そのあたりを調整して穏やかにしておきました。
お渡しする時に「アイドリングの音が変わった」という感想をいただきましたが、
それが吉と出るかどうか、後は乗ってからのお楽しみにしてもらいます。