180SX(シルエイティー) エンジンアイドル不調の修理
仲の良い車屋さんのご依頼で、
業者オークションで購入された180SXのトラブルシューティングをお受けました。
数日前から「アイドリング回転数が高めなので少し下げたい」という相談を受けておりまして、
そちらは未解決な状態ですが、通常走行はできるようになったところで
車検取得、検査は合格したとのことです。
その帰り道で駐車してからのエンジン再始動が出来なくなってしまったという話でした。
この180SXを仕入れてから修理に時間を取られていたようです。
イグナイターや各コネクターや水温センサー等々疑わしい部品は新品交換済みなのに、
始動もできなくなっては、もう何が何やらわからない…ということで
当店を頼って下さったという流れです。
「エンジンだけ掛かるようにすればいいのかな。掛かったらアイドリング調整はその車屋さんが続きをやってくれるとして…」
ということで点検から始めます。
セルは回ります…ECUの電源は入っています…が、始動できません。
点火プラグは新品交換されています。
燃料ポンプのレジスターカット配線も怪しいので治します。
スパークテストもOK
クランク角センサーも怪しいので・・・
手持ちのものと取り替て試したところ…
エンジンは始動しました!
それほど時間が掛からずできました。
ここまでやって依頼された車屋さんに連絡します。
「エンジン始動しましたよ。アイドリングが高いですけど…。」
と伝えたところ、先日までこのような状態であったため、
ここからはアイドル回転数を落とす追加依頼を受けます。
預かる2週間ほど前に相談されていた内容です。
やはりこれもやるんだね……。
エンジン始動後の点検を始めます。
なぜか水温センサーのエラーが…
全てが済んだら消しておきます。
スロットルは新品になっているようです……なぜ?
購入前からアイドル不良があったのかもしれませんね。
ここからはアイドリングを下げるために、
スロットルコートを塗布して全閉密着させます。
まだ高いです。
バタフライを開き、裏側にも塗ります。
クラセン、AACバルブを調整してもここまで。
まだ全然ダメですね。
エアフロの洗浄や差替えして、
O2センサーも取り換えて
タペットカバーを外します。
バルブタイミングがおかしいとか??
#1ピストンの上死点を合わせてみてもこのイラストの状態になっています。
正常です。
なんかやけくそに見えますね(笑)
ここまで来て思うところがありまして…
車体はフェイスチェンジされており、エンジン等々も年式違いのものに変わっています。
通常のトラブルシューティングでは何もわからないのではないか、と気が付きます。
少し落ち着いて考えてみます。
車検証を見てみましたところ、
車体の年式が中期型、
搭載しているエンジンは前期型、
制御しているECUは中期型
アイドル制御している「AACバルブ」は前期?中期?
これを車体に合わせるだけで普通に動くのではないのか…と。
インマニ、サージを取り外し、AACバルブを取り替えてみることに
こんな感じです。
点火時期、AACスクリュー調整後のアイドル回転数はご覧の通り、通常の800rpmに落ち着きました。
エアフロ電圧1.5v、燃料噴射時間も2m/s、点火時期15度、スロットル電圧0.5v、AAC開度30%と、これにて正常値になりました。
アイドル回転数を下げるのには骨が折れました。
部品構成を変更された車(エンジン載替えなど)の場合には品番をそろえるなど
基本的なところを見ていくのも一つの方法だということを覚えておきます。
お時間をお掛けしましたがお役に立ててよかったです。
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