知人からの紹介で180SXのトラブルシュートを請け負いました。
スターターモーターは回るのにエンジンが始動しないというものです。
燃料ポンプは既に交換済みで作動音はせず、ということでしたので、
それ以外のところを点検していくことになりました。
ポンプ周辺まで電源が来ていなかったので、
ヒューズ、リレーの点検をします。
いずれも導通していて適正電圧が掛かっています。良好な状態です。
次に診断コードの確認をしてみようかと簡易診断機を接続します。
ECU(エンジンコンピューター)からの信号が届いていないようでエラーが出ています。
ECU周辺の点検をしたところ、コネクターの浮き(差し込み不良)がありました。
「これで解決かな?」と思ったのですが、結果は変わらず。
ECUとのやり取りは未だ出来ずです…。
ECUへの電源供給がなされているかを調べます。
電源ハーネスの接続箇所は47番です。
ECUコネクターまでは電源が来ていました。
とするとECU内部での断線か…。
クロスチェックにてメイン基板のみの不良ということが分かりました。
追加基板とそれに装着されているICは再利用して先へ進みます。
データの確認と保存をして、別の純正基板を用意します。
もう一度、車体に取付して接続、動作点検したところ正常に通信でき、
エンジンフィールは回復し、アイドリングも安定しました。
純正ECU本体の不良ということが確定しましたので、
オーナーさんに使用可能な純正ECUを用意していただきました。
こちらに追加基板を付けられるように小加工します。
半導体の組み込みが終わり、車体に取り付けます。
最終チェックをしたところ…3気筒? 一発失火しているところがありました。
調査しましたら点火コイルのコネクタ差し込み不良なだけでした。
経年劣化でコネクタの抜け防止部分が割れているものをよく見かけます。
この樹脂部品のみ新調し、対処後はエンジン回転上昇もスムーズに吹け上がるようになりました。
引き渡し後一週間ほどたちましてからコンディションを伺いましたところ、
エンジンの始動性も、吹けも調子は良いとのことでした。
先日に開催されたサーキット走行会にも参加でき楽しめたようです。
お役に立てたようで良かったです。
また、ご紹介いただいた方への面目を保つことも出来ました。