Lightning Blog

180SX エンジンの吹けが悪いと思っていたら・・・

 
静岡県西部からご来店の180SXをあずかりました。
 
いつも遠方からお越しいただきありがとうございます。
 
 
 
「2週間前くらいからエンジンパワーが落ちた、吹け上がりが悪い気がする」
 
ということでしたので、すぐに預かる予定を組みました。
 
オーナーさんは週末にお仕事がおやすみということでしたので、
 
一番近いその日を待つことにします。
 
 
 
ところが、預かる前日になって、
 
「2000rpm以上吹けなく、まともに走れない。」というたよりが入りました。
 
今回は、あまりに調子が悪く自走できずに、積載車でのご入庫となりました。
 
走行距離は10万キロ程度のSR20エンジン、ノーマルに近い状態のお車です。
 
 
 
DSC01843
 
預かり後に早速 点検しました。
 
診断機では正常に動作していると表示されますが、そんなことはないはずです。
 
インジェクターの噴射時間が3.1msと見たことのない数値になっているのも気になります。
 
 
 

 
まずは落ち着いて点火時期を測定します。基準値の15°ですので、良好です。
 
 
 

 
そして点火プラグを点検します。
 
使い込まれていますが正常です。
 
 
 

 
事前に交換依頼がありましたので、こちらは新調しておきました。
 
 
 

 
エンジン圧縮も測定しますが、こちらも全く問題ありません。
 
 
 

 
イグナイターも別のものを用意して試します。
 
こちらも大丈夫です。
 
 
 

 
エアフロメーターも点検してみます。
 
 
 

 
ECUも単体で動作チェックしましたが正常に通信できています。
 
まあ、事前にアイドリングで診断できていましたので、
 
当然といえば当然な結果でした。
 
 
 
そうこうしているうちに、この後エンジンがかからなくなってしまいます。
 
この時は「ECUを壊してしまったのか・・・?」と少し焦りもしましたが、
 
そんなことはありませんでした。
 
 
 
気を落ち着かせ、しばらくしてから、
 
燃料ポンプの作動音を聞きいてみたところ・・・止まっている様子です。
 
「ポンプが壊れかけていたのかもしれない」と思い点検します。
 
 
 

 
燃料タンク手前までは電源が来ているので原因はポンプ本体の故障と判断します。
 
ちょっと遠かった・・・診断、測定順序を誤ってしまいました。
 
最初に燃料圧力を測定しておけばよかったです。
 
 

 
燃料ポンプ交換でエンジンは始動するように、
 
また、通常走行が出来るようになりました。
 
 
 

 
ところが、まだ調子がおかしい・・・
 
最初に診断機で見た噴射時間は3.0ms付近のままです。
 
通常だと2.0ms前後のはずなのに。
 
これでは燃料が吹きすぎです。
 
 
 

 
この辺りのトラブルは、センサー類の不良で発生することが多いので、
 
それぞれのセンサー電圧を測定します。
 
アイドリング時でスロットル電圧は0.5v付近で正常、
 
エアフロ電圧は1.5vくらいで安定し正常です。
 
 
 
そしてO2センサー。こちらは通常0~1.0v以内で変動するのですが、
 
しばらく電圧の変化を眺めていると1.0v以上かかる時があり、いつもと具合が違います。
 
ここだけおかしいです。
 
O2センサー故障を疑い、手持ちのものと交換して試してみます。
 
 
 

 
O2センサーは燃料の噴射量に関わるセンサーですので、
 
車両によってはエンジンチェックランプが点灯します。
 
故障すると燃費が落ちたり、エンジンフィールの悪化や
 
車検の排気ガス検査でもパスできなかったりします。
 
部品交換して、燃料噴射時間も正常値となりました。
 
 
 
燃費も走りも元通りになったと思います。
 
これで快適な車に戻りました。お待たせしました。
 
 
 
終わってみると簡単なトラブルシュートでしたが、同時に2箇所の故障が重なり、
 
今回は結構、惑わされてしまいました。というお話でした。
 
 
 
これらの記事に掲載しきれていない別症状、別車種の案件もございます。
 
車両を拝見しないと分からないトラブルがほとんどですが、お力になれることもあろうかと思います。
 
不明なトラブルでお悩みの方、遠方で来店が難しい方なども、どうぞお気軽にお問い合わせ下さい。
 
 

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