自動車部品に限った話ではありませんが、
細かい部品がまとまって組み上がったものを「アッセンブリー」という呼び名で使われています。
車のメンテナンスにおいて、アッセンブリー(=Assy.)になっている部品は
取替作業が短時間で済むというメリットはありますが、
その反面、高価なものは損傷している部位のみを
細かく分けて販売してもらいたい という要望も少なくないところです。
これは消費者側のわがままでしょうか…。
このところ、そのAssy.パーツが「纏まり過ぎているのでは?」
と思うことがありましたので軽くお知らせ致します。
今回たまたま同時期に同様のメンテナンスをしてほしい
という依頼をいただいた 日産のフェアレディZ(Z33)とステージア(M35)でのお話を致します。
ディーラーさんで見積りを書いてもらったということで、双方拝見致します。
車検や他のメンテナンスと絡めて「ロアアームボールジョイントブーツの破損修理」ということで、
左右の部品と工費を合わせて10万円以上という共通項目がございました。
車両の状態としてブーツが破けてグリスが漏れています。
これだけ見ると簡単にブーツを交換して、ボールジョイントが傷んでいればそちらも交換で…
という流れになりそうな画ですが、
この周辺部品はスイングアームナックルとAssy.交換となるようです。
メーカーに問い合わせても、
ブーツだけ、もしくはジョイント部のみの販売は対応していないということです。
見積もりが高価な原因はこちらにあるようです。
このようにアーム、ブーツ含めて全てAssy.交換するのが通常の修理方法のようです。
(ハブは含まれませんが…。)
部品代は片側4万円程するようです。ブーツだけなら数百円で済みそうなのに…。
このことは有名な話のようで、
プライベーターの皆さんは個々にうまい対処法を考えられているようです。
ご相談に来られたお二方、共に同意見で
「スイングアームは傷んでいないので交換する必要性を感じない」とのことでした。
確かに僕もそう思います。「どうにか損傷部のみの修繕をお願いします」ということでしたので、
日産からではなく別の窓口から部品を用意し、作業方法もそれぞれ再検討する話となりました。
今回、Z33フェアレディZはボールジョイントとブーツを交換、
M35ステージアはブーツ部のみ補修と、それぞれ異なる方法でご要望をお応え致しました。
余った予算で別のメンテナンスができましたので、
オーナーさんにはご満足いただけたようです。
お役に立てて良かったです。
足回りだけにとどまらず、抱合せ販売的なアッセンブリーパーツが多いのが気になります。
新しい車を買っていただきたいというメーカー側の気持ちも出ているとは思いますが、
一台の車を気に入って長く乗りたい方もおられますし…、
単純に修理費用を安く済ませたいということではないので困った問題ですね。
ぼくらとしましては、これからも皆さんのニーズに応えられるように
知恵を絞っていこうと思っています。